次亜塩素酸水の生成方式

当協会の会員は二液混合方式で次亜塩素酸水溶液で生成しています。

二液混合方式とは?

希釈した次亜塩素酸ナトリウムのpHを調整して次亜塩素酸水溶液を生成します。pH調整剤として、希塩酸、酢酸、炭酸ガスなどが実用化されています。最も普及している希塩酸でpH調整する装置の原理を以下に説明します。

次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈し、希塩酸でpH調整して次亜塩素酸水を生成します。二液混合方式とも呼ばれ、当協会が普及をすすめる安定した弱酸性次亜塩素酸水溶液が生成できる方式で、有効塩素濃度、pHの調整が容易なのでこの方式の装置が多く開発されています。しかし、使用する2液を誤って直接混合したり、pHが3以下になると塩素ガスが発生する危険性もあります。

その他の生成方式

①次亜塩素酸ナトリウム水で希釈する(200~600ppm) 方式

もっとも一般的な殺菌水生成方法で、厚生労働省もノロウイルス、新型インフルエンザの対応に勧めています。原料が手に入りやすい(家庭用塩素漂白剤など)ためと思われますが、図1に示すように殺菌に有効な次亜塩素酸は10%程度しか含まれません。水道水やプールは次亜塩素酸ナトリウムを直接希釈注入して殺菌を行っています。pH8.5~9の次亜塩素酸水を生成します。

②食塩の電気分解方式

電解水、強酸性水生成装置などと呼ばれる装置の生成原理はこれで、食塩水を有隔膜槽(イオン交換膜)で電気分解し、陽極側に陽極反応で発生する塩素ガスが水に溶けて強酸性の次亜塩素酸水が生成されます。陰極側に生成された強アルカリ水(NaOH)を一部混合し、pHを5~6に調整する装置もあります。

③希塩酸の電気分解

希塩酸を電気分解し、陽極反応で発生する塩素ガスが水に溶けて次亜塩素酸水が生成されます。②の反応には隔膜が使われるのに対し、希塩酸の電気分解では無隔膜で電解条件を調節してpH6前後の次亜塩素酸水を生成します。